- 関数・マクロ機能とは
表計算ソフトを使うと直観的な操作で、手軽に集計処理が行えます。ただし、集計対象のデータが大量であったり、計算式が複雑なものである場合は、人間によるケアレスミスがつきものです。そこで安心して複雑な集計を行えるように様々な補助機能が用意されています。その代表的なものが関数やマクロと呼ばれるものです。関数を使うと計算式を単純化でき、マクロを使うと様々な操作を自動処理することができるようになります。これらを習得することでより表計算ソフトを有効活用することができます。
- 関数
<関数の利用>
引数
(計算に必要な情報) |
→ |
関数
(計算処理) |
→ |
戻り値
(計算結果) |
(例) |
5と3 |
→ |
乗除 |
→ |
2 |
<関数式の記述>
関数名(引数1,引数2,・・・)
-
引数 |
カッコで囲む
※引数がない場合は「関数名()」 |
複数 |
カンマで区切る |
文字列 |
シングルクォートで囲む |
セル範囲 |
連続したセル領域をセル参照
始点〜終点
(例)
合計(A1,A2,A3) → 合計(A1〜A3) |
<関数の種類>
-
関数名 |
使用例 |
|
合計 |
合計(A1〜A5) |
セルA1〜A5までの合計 |
平均 |
平均(A1〜A5) |
セルA1〜A5までの平均 |
最大 |
最大(A1〜A5) |
セルA1〜A5の中の最大値 |
最小 |
最小(A1〜A5) |
セルA1〜A5の中の最小値 |
個数 |
個数(A1〜A5) |
セルA1〜A5の空セルでない数 |
整数部 |
整数部(A1) |
セルA1を超えない最大の整数
整数部(3.9)→3(切捨て)
整数部(-3.9)→-4(切上げ) |
乗除 |
乗除(A1,A2) |
セルA1÷A2の余り
乗除(10,3)→1 |
※その他にも関数がある(案内書・願書を参照)
- IF関数
条件分岐(もし〜ならば)
満たす/満たさない → 異なる処理
<IF関数>
IF(論理式、真の処理、偽の処理)
|
(流れ図:フローチャート)
___
( 開始 )
 ̄ ̄ ̄ |
|
/\
/論理 \
\ 式 /
\/ |
−
↓ |
┌────┐
│真の処理│
└────┘ |
┌────┐
│偽の処理│
└────┘ |
| |
|
← |
| |
|
___
( 終了 )
 ̄ ̄ ̄ |
|
|
|
|
<論理式>
(比較演算子)
-
=(イコール) |
等しい |
<>(ノットイコール) |
等しくない |
>(大なり) |
大きい |
<(小なり) |
小さい |
>=(大なりイコール) |
以上 |
<=(小なりイコール) |
以下 |
(例) A1=100
(論理演算子)
-
AND(アンド) |
左辺と右辺が共に成り立つ |
OR(オア) |
左辺と右辺のどちらかが成り立つ |
NOT(ノット) |
偽の場合に真とする(反転) |
※比較演算子の式を連結
(例) A1>=50 AND A1<= 90
<処理>
値 |
数値、文字列、セル参照 |
計算式 |
四則演算、関数 |
IF関数 |
条件の入れ子 |
(例1) IF(B6>=E1,’合格’,’不合格’)
(例2) IF(A2>=90,’A’,IF(A2>=70,’B’、’C’))
- マクロ機能
操作手順の自動化
(例)「文字の大きさや色を指定値に変更する」→「印刷する」
<マクロの登録>
一連操作の記録 |
プログラム言語(※ExcelではVBA) |
↓ |
|
名称付け(マクロ名) |
ワークシートと一緒にファイルへ保存 |
↓ |
|
マクロ実行
|
マクロ名で呼び出し
(※メニューやボタンと連動)
一連の操作を処理 |
(例)
マクロ名:「赤色」
→
↑
この間を
繰り返す
↑
← |
繰返し範囲先頭 |
セルの値が空でない間繰り返す |
セルの値が100未満ならセルの文字色を赤 |
対象セルを1行下に移動 |
繰返し範囲の最後 |
(例:データ)
|
A |
B |
1 |
Aさん |
100 |
2 |
Bさん |
90 |
3 |
Cさん |
150 |
(例:処理の流れ)
1回目の
繰り返し |
- セルB1が空でないので処理を継続
- 100は100未満でないので文字色はそのまま
- セルを1行下に移動
- 繰り返しの最後なので1に戻る
|
2回目の
繰り返し |
- セルB2が空でないので処理を継続
- 90は100未満なので文字色を赤にする
- セルを1行下に移動
- 繰り返しの最後なので1に戻る
|
3回目の
繰り返し |
- セルB3が空でないので処理を継続
- 150は100未満でないので文字色はそのまま
- セルを1行下に移動
- 繰り返しの最後なので1に戻る
|
4回目の
繰り返し |
- セルB4が空なので処理を終了する
|
|