直線上に配置


LANの構成と接続機器
  • LANとは?

    同一建物や敷地内など一定の空間内で作成されたネットワークをLAN(ローカルエリアネットワーク)と呼びます。会社内など利用者を限定して様々なネットワークサービスを活用することができます。代表的なネットワークの活用例としてはプリンタなどの機器の共有が挙げられます。またデータの共有も記憶媒体を返さずに行えるためスムーズに作業を連携することが可能です。また全国規模の企業の場合、各支店などのコンピュータ同士を連携してデータ共有する必要が発生する場合があります。そのような遠隔地のLAN同士を接続したネットワークをWAN(ワイドエリアネットワーク)と呼んでいます。
    現在、このような各種のネットワークはコンピュータを活用する上でなくてはならない存在となっています。
    (昔はコンピュータをスタンドアロンで利用することがほとんどでした)

  • ネットワークの特徴
    スタンドアロン→ネットワーク
    1. 資源の共有
      ソフトウェア(プログラム、データ)
      ハードウェア(プリンタ、記録媒体:HD、FD、DVD)

    2. 情報の交換
      コミュニケーション(文字、音声、動画)


  • ネットワークの種類
    LAN
    (構内通信網)
    同一建物、敷地内、通信機器・回線自前
    WAN
    (広域通信網)
    遠隔地コンピュータ・LAN、
    通信機器・回線レンタル(通信事業者)
    インターネット 一般に公開された相互ネットワーク

  • 伝送媒体

    ツイストペア
    ケーブル
    (より対「つい」線)
    電気 2本の銅線をより合わせたもの
    ※8芯4対
    UTP:シールド(保護膜)なし
        (イーサネット)
    STP:シールドあり
        (未対応機器エラー、工場)
    ストレート:入力→入力
          (ネットワーク機器接続)
    クロス:入力→出力
        (PC-PC間接続)
    同軸ケーブル 電気
    (電波)
    1本の銅線を絶縁体で保護
    網目状の銅線と外皮でカバー、
    TVアンテナ
    光ファイバ コア:光の通過
    クラッド:光の反射
    AC(Alternate Current):交流
    DC(Direct Current):直流 (※AC-DCコンバータ)

  • LANのモデル

    クライアント
    /サーバ
    (Client
    Server)
    1つのサービス(機能)をクライアント(利用者)と
    サーバ(提供者)の2つに分けて実現する
    処理を分散することで負荷分散も実現
    ファイル、プリント、DB、メールサーバ
    大規模向けLAN(専用サーバ)

    (2層クライアント)
    1990年前半、GUI処理、データ加工
    クライアント サーバ
    ファンクション
    (GUI)、
    プレゼンテーション層
    (データ加工)
    データ層
    (DB)
    ※ネットワークトラフィック増大

    (3層クライアント)
    クライアント サーバ
    ファンク
    ション層
    プレゼン
    テーション層
    データ層

    (分散オブジェクト)
    CORBA(Common Object Request
    Broker Architecture)
    異プラットフォーム、プログラムでのメッセージ交換

    ピアツーピア
    (Peer To
    Peer)
    サーバとクライアントが対等(区別なし、兼用)
    小規模向けLAN
    (簡易サーバ、低コスト、セキュリティー弱)


  • LANの接続方法

    ・接続形態(トポロジ)
    (物理)
    スター型 集線装置(ハブ)を中心に放射状に接続
    PCの増設が容易
    ※ハブの故障が全体へ影響
    バス型 一本の母線に分岐接続
    PCの故障が全体に影響しない
    ※故障箇所が特定しづらい
    母線の両端にターミネータが必要
    リング型 円状に接続
    故障箇所を特定しやすい
    ※PCの故障が全体に影響

    (論理)
    バス型 全ノードがデータ受信
    リング型 順方向のみデータ受信

  • LAN間接続装置

    リピータ 信号の増幅
    LANの延長:信号が届く範囲(セグメント)
    最大4台(5セグメント)※規格により異なる
    ノード数増加→トラフィック増加(速度低下)
    ブリッジ 物理層、アクセス制御の変換
    セグメントのフィルタリング
    (MACアドレス:通信機器固有のアドレス48bit)
    ローカルブリッジ:LAN同士
    リモートブリッジ:WANを介したLAN間
    ルータ ネットワーク間接続
    ネットワークのフィルタリング
    (ネットワークアドレス:IPアドレス、ポート番号)
    ゲートウェイ プロトコル、データ変換
    ファイアウォール、プロキシサーバ、
    コンテンツフィルタリング
    ハブ マルチポートリピータ(リピータハブ)
    複数の接続口を持つリピータ
    カスケード接続 ハブの多段階接続
    10BASE-T:4台
    100BASE-T:2台
    (カスケードポート:標準)
    ストレートケーブル
    (標準:標準)
    クロスケーブル
    スタック接続 ハブの拡張(全体で1台)
    スタッカブルハブ(専用ポート)

    スイッチングハブ(マルチポートブリッジ)
    MACアドレステーブル
    ポート毎にフィルタリング(1から複数台)
    バッファ:データの一時記憶
         (衝突回避:コリジョンセグメント、
          異速度、全二重)
    AP
    (アクセス
    ポイント)
    無線電波中継機
    無線−有線接続

    通信モード AP
    インフラストラクチャ あり
    アドホックモード
    (インディペンデント
     モード)
    なし
    同時に2台以上の
    端末と通信できない

    ブリッジタイプ リピータと同等の機能
    ルータタイプ ルータと同等の機能


    (OSIとLAN間接続機器)
    ゲートウェイ 各種プロトコル
    ルータ、レイヤ3スイッチ IPアドレス、ポート番号
    ブリッジ、スイッチングハブ MACアドレス
    リピータ、ハブ、AP 電気、光、電波

  • LANアクセス制御

    ・CSMA/CD(IEEE802.3)
    送信権早い者順
    全ノード受信→衝突(コリジョン)
    (ランダム時間待つ)

    (規格)
    イーサネット
    ○○○ BASE △△△
    伝送速度 ベースバンド
    (デジタルそのまま)
    ケーブルの長さ、種類
    ※BASE:デジタル変調(振幅、周波数、位相など)なし
      多重化できない

    種類 距離 回線 速度
    10BASE-2 185m 同軸 10Mbps
    -5 500m
    -T 100m ツイストペア
    (8線式:RJ-45)
    -F 2km 光ファイバ
    100BASE-TX 100m ツイストペア 100Mbps
    -FX 10km 光ファイバ
    1000BASE-T 100m ツイストペア 1000Mbps:1Gbps
    ※電話線ジャック「RJ-11」(6芯・4芯、2本または4本)

    ・トークンパッシング
    トークン(送信権)巡回
    フリー(空き)
    ビジー(使用中)
    衝突なし
    送信 ビジー
    +データ
    受信
    フリー データコピー

    (規格)
    種類 速度 物理トポロジ
    トークンバス
    (IEEE802.4)
    1〜10Mbps バス型
    トークンリング
    (IEEE802.5)
    4〜16Mbps リング型

    ・FDDI
    光ファイバ(二重リング)※通常1つのみ利用
    基幹LAN
    100〜200km
    100Mbps(FFOLでは1.25Gpbs)、1000台
    アペンドトークン(トークン2つ)

    ・CSMA/CA(IEEE802.11)
    無線LAN
    送信権早い者順
    全ノード受信
    衝突回避(長時間監視)※電波は衝突検出が難しい

    b 11Mbps、2.4GHz 遠距離
    a 54Mbps、5.0(5.2)GHz 短距離
    (日本J52:5.15-5.25GHz、
    国際W52、W53:5.15-5.35GHz)
    g 54Mbps、2.4GHz 遠距離
    ※bと互換性あり
    n 144Mpgs(MAC SAP:ユーザ体感速度100Mbps)
    ※下位互換a,b,g 2007年ロゴ認定予定
    MIMO(multiple input multiple output)技術
    送信用と受信用のアンテナをそれぞれ2本
    ※オプション(4本)の500Mbpsもある
    j 電波法の一部改正及び周波数及び割当により新たにデータ通信用として割当られた4.9〜5.0GHz用(屋外での利用も許可された。ただし届出制の免許が必要)に合わせIEEE802.11aを修正したもの
    ※外部アンテナで距離延長(5〜10Km)
      マルチパス(多重波伝送路):反射波や透過波、回折波など
      の影響や障害物により速度は論理値約半分程度

    (セキュリティ)
    SSID
    (Service
    Set
    Identifier)
    /ESSID
    アクセスポイント(無線親機)の識別子、
    最大32文字
    ANY:不特定接続可能
    ※通常はANY接続拒否、大小文字区別
    BSSID:識別子としてMACアドレス使用
    WEP
    (Wired
    Equivalent
    Privacy)
    (低)
    暗号方式:RC4をベース、秘密鍵暗号
    (キー長)
    64bit(40):5文字
    128bit(104):13文字
    152bit(128):16文字(※メーカー独自)
    ※ダイナミックWEP:ユーザ毎に異なる
     WEPキー(公衆無線LANサービス)
    WPA
    (Wi-Fi
    Protect
    Access)

    (暗号方式)
    TKIP
    (中)
    (Temporal Key Integrity Protocol)
    (ティーキップ)
    暗号方式:WEPと同様(RC4)
    ※通信速度低下(ソフト処理)
    キー自動更新(1万パケット毎)
    128bit(8〜63文字)
    AES
    (高)
    (Advanced Encryption Standard)
    次世代の米国政府標準暗号、
    秘密鍵暗号、DES(56biy)の後継、
    Triple-DESより高速(ハード処理)、
    鍵サイズは128,192,256bit
    暗号方式:AES
    (8〜63文字)
    キー自動更新(TKIP使用)
    ※WPAではオプション
     「Rijndael(ラインダール)」が元
     ベルギーの暗号開発者
    ※AES、TKIPどちらかを選択
      13文字以上の設定が望ましい
      WinXP SP1以上
      PSK(事前共有鍵)は1度のみ設定
      :端末認証に利用

    (適応範囲)
    WPA
    -PSK
    (Home)
    個人・SOHO向け
    (WPA-SOHO)、
    Pre-Shared key:128bit
    WPA
    -EAP
    (Enterprise)
    企業向け、EAP

    「WPA-PSK(TKIP)モード」
    および 「WPA-PSK(AES)モード」
    IEEE802.1x EAP:親子機相互認証(RADIUSなど)
    (Extensible Authentication Protocol)
    成りすまし防止(TLSなども使われる)
    IKE:鍵交換方式
    IEEE
    802.11i
    無線LAN用のセキュリティ規格
    IEEE 802.1xの認証技術の採用
    ※EAP+WPAとほぼ同等(策定中)
    MAC
    アドレス
    フィルタ
    リング
    登録MACアドレスのみ接続可能
    ※MACアドレスの偽装は可能
    ESSID
    ステルス
    機能
    ESSIDの隠蔽
    ※ビーコン信号(ESSIDの発信)停止
      プローブリクエスト(ステーション呼掛け拒否)
     (完全な隠蔽は不可能:Kismet、無線LANモニタ)
    ※次期WEP2ではAES必須

    (その他)
    Super A/G
    (Atheros社)
    圧縮による高速化、108Mbps
    フレームバースト
    (Broadcom社)
    連続伝送による高速化(約10〜20%改善)
    ※フレームをまとめて送信
      フレームバーストEX:改良版
    ※ギガビットイーサでも採用
    XR (eXtended Range)
    通信距離の延長 ※速度大幅低下
    MIMO(マイモ) Multiple Input Multiple Output
    複数アンテナで送受信、108Mbps
    ※送受信速度の向上(通信相手は一つ)
      送信2本、受信3本(合成)WZR-G108/P
      11nにも採用予定
    MISO(マイソ) Multiple Input Single Output
    複数アンテナで受信
    ※受信の安定、高速化
    ※親子機のチップセットが同じ必要あり




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